【FX】順張りスキャルピングでの注意点
今週火曜日は大統領選挙がありましたね!ドルストレートはわりとトレンドができていて戦いやすかった方も多かったかもしれません。NY時間朝11時までトレンド、その後お昼時間の調整が入りの、3時頃から夜8時くらいまでトレンド再開といった流れだったかと思います。自分はというと、午前中から午後にかけてはいつも通りといった感じだったので、なんだ選挙なんて怖くないじゃん。と甘く見て、6時ごろに普段滅多に取引しないポンドル(GBP/USD)で2度目のトレンドに乗り、順調に含み益が出ていた夜8時過ぎ、突如逆行し、それに刈り取られた一人です^^; 相場を舐めてかかるとこうなりますね。良い教訓でした。
さて、今日は選挙日のトレンドフォローの例を挙げながら、スキャルピングで順張りするときのちょっとした注意点を書こうと思います。初心者の頃は短期的な流れだけを見て、トレンドができているから順張りしよう!と思って入ると、すぐに逆行していくことが日常茶飯事だった私ですが、現在少しずつその特徴を掴めるようになってきました。同じように順張りㇲキャルで悩んでいる方へ、少しでも参考になれば嬉しいです。
記事の目次
1, トレンド中の逆行“調整”について
2, 例1:USDCAD
3, 例2:USDJPY
4, 総括
トレンド発生時の逆行について
今回お話しする相場環境は、トレンド発生時の相場です。マクロ目線で下落もしくは上昇トレンドで、取引時間足のミクロの流れも同じ流れだった、というときに、スキャルピングで順張りを行うという場合です。こんなときよくあるのが、順張りのつもりで入ったのに逆行してしまった、というパターン。その逆行の原因に多いのが”調整の値動き”です。
トレンド中なのになぜ逆行するのか?
相場はいつも一定の値動きを見せるわけでもなく、むしろどの時間足も一方方向に進んでいることのほうが少ないですよね。どんなにトレンドがきれいな相場でも、必ず多かれ少なかれ調整が入り、その調整の値動きを押し目(上昇トレンドの場合)、もしくは戻り目(下落トレンドの場合)と言います。英語圏だとpullbackとcounter rallyですね。このように、トレンド中に起きる調整の値動きために、本来の方向から逆行していくことがあるのですが、これらの調整はその時々によって程度が様々です。調整からトレンド再開までに要する時間、値幅の大きさ、調整時の巻き返しの強さとか、通貨ペアなどによっても特徴は千差万別です。
調整発生の予兆
調整発生前の予兆になり得るものとして、以下の要素をいつも注目して見ています。
②これまでにないような大きさのロウソク足が出現した
③一度以上同じ価格帯でサポートされている節目まで到達した
スキャルピング取引なので、今回の主軸は1時間足と仮定して、張り付いて見ているチャートはそれ以下の時間足とします。調整は、例え一過性のものだろうと、それが何時間、場合によっては数日続くような調整の場合、スキャルパーとしては痛手となります。私は順張りスキャルをする場合、節目から節目までの取引、もしくは時間から時間までの取引としています。その理由が、調整が入りやすいのが時間足形成前後、もしくは節目近辺だからです。
時間の概念はわりとどの通貨ペアにも当てはまるのかな、と思いますが、私が主に取引しているカナダドル(USDCAD)やニュージーランドドル(NZDUSD)はその傾向が強く、きっかり1時間足形成タイミングでなくても、その前後15分は注意しながら見ます。ポンド系は滅多に取引しないのですが、時間足形成後の逆行はかなり多い印象です。とくにお昼の時間帯であるNY時間11時代、12時代の1時間足形成タイミングでは、より調整に入りやすい時間かと思います。理由としては、1時に4時間足形成ですし、多くのトレーダーが昼食前に決済したいからだと思いますが、必ずしも調整が入る日ばかりではないので、念のための知識としてインプットしてくださいね。時間から時間の取引は、例えば1時間足形成後、その調整を見て、トレンドが続きそうなら順張りで入り、次の時間足やその次など様子見しながら決済する方法です。ボラが大き目の環境のトレンドでは、時間から時間取引が多いです。これは取引時間が短いのですが、かなり気を遣うので、本来はあまり好きではなかったりします^^; 最近、コロナ後のスキャルピングはずっとこんな感じですけどね。
あとは時間足でなくとも、これまで意識されていた価格帯(サポレジライン)に到達すれば調整が入りやすいので、こういった節目やトレンドラインを意識した取引を、節目から節目までの取引としています。昨年2019年の夏ごろのNZDUSDはこの取引の宝庫でした。 当時は数か月に渡ってトレンドが綺麗で、節目で止まってくれるし、とても戦いやすかったんですよ。コロナ後はやられましたが。この取引は、安定したトレンドで、節目が意識されやすく、あまり1時間足での値幅が取れない場合に便利な戦い方です。この場合はスキャルピングにしては長くなるのですが、その代わり、利食いラインとロスカットラインが明確なので、あまり気を張ってチャートに張り付かなくて済みます。
もう一つの予兆となりうる値動きとして、トレンド中に突然ボラティリティーが大きくなったり、ピンバーなどの反発を示唆するような値動きがあれば、反発する可能性が高くなります。経済指標だったり、他のファンダメンタルがあった場合もそうですが、そういった原因がなくても、これまでにない大きさのロウソク足ができたり、それが15分、30分足で髭の長いピンバーになった場合は、そこから調整に入る、なんてこともあります。経済指標はあらかじめ分かるので回避できますが、前触れなく変化が起こったときにチャートを見ていなかった!なんて場合はロスカットになることもあります。この手の値動きは、1時間足形成時に反発が起こらず、むしろトレンド圧力強く値が進行していた場合、15分足や30分足形成で突如逆行、なんてことがあります。ですので、スキャルピングは基本的にチャートから離れないのが良いですね。
調整が長引きやすい予兆はあるのか
調整がどの程度続くのか、あらかじめ分かるのかについてちょっと余談。これが前もって分かれば一番いいですし、それについて値動きを観察したこともあるのですが、一概に言えないので正直あまり分からない、というのが答えです。以前ご紹介した ”カナダドルの崩れやすいトレンド中のチャートパターン”で書いたように、相場環境が崩れやすかったり、ボラが大きいトレンドでは、反発の大きさも大きくなり、トレンド再開まで時間を要します。この記事でもそういった一過性の反発での取引を紹介しています。また、基本的に私がいつも取引するカナダドル、ニュージーランドドルでは、時間足形成後、突如反発圧力がトレンドよりも圧倒的に強く、値幅を大きく反発していった場合も、そこからトレンドを再開するには時間を要することが多いです。このような反発圧力が強い相場になったときは、例えその反発が結果的に一過性だったとしても、もし順張り玉を持っていたら決済しています。スキャルピングなら、その後の非効率な値動きを我慢してまで持ち続ける必要はないのです。場合によっては、その反発が転換点の序盤の値動きだったりもしますから、そうなれば建値決済やロスカットにもなりかねません。決済タイミングですが、前回の15分足を優に超えそうな反発が来たら迷わず撤退しています。ちなみにこの予兆ですが、ポンド系通貨ペアには通用しないので注意です。ポンド系って急に大きく反発したかと思えば、またすぐ戻ってきたり、びっくりするような大きさのピンバーを形成してもトレンド継続したり、ホントに判断が難しいですね。
USDCADの例
では、文章では分かりにくいので実際のチャートで解説します。こちらが大統領選の日カナダドルの日足チャートです。黄色の丸の部分が11月3日。前日から下落トレンドを作っていました。
当時の環境
これが1時間足。選挙前日からきれいな下落トレンドで、当日朝6時の時点でも順張り優位な環境でしたね。★印がエントリーしたポイント。しかし、その後10時代の1時間足が確定すると、これまでよりも強い地合いで逆行し始めました。(水色の丸印)そこから数時間は調整に入り、その後2時過ぎにまた下落トレンド再開。直近最安値を深ぼるも、午後8時くらいに選挙結果の影響なのかUSドルが急騰。といった一日でした。結局、この急騰も一過性のもので、その後は下落トレンドを再開していますので、この急騰も調整の一部であると言えるのですが、スキャルピングであればこれらの調整の間も順張り玉を持ち続けるのは非効率です。
この場合の取引例
これが選挙日の11月3日から5日の30分足チャートですが、選挙後も下落トレンドは続いていますよね。ですが、それまでにいくつもの反発がありますね。何日も玉を持つようなスイングならこういった調整フレーズも玉を持っていても良いと思います。ですが、スキャルピングやデイトレならば、こういった一過性の反発が来たら玉を決済し、むしろ入れればトレンドに逆行する取引もできます。日本だったら両建て取引ができるので、スイングで順張り、スキャルピングで調整の値動きを取っていくことも出来るんですけど、アメリカでは両建ては禁止です。今回私がカナダドルで取引したのは、前場の下落トレンド、11時代からの調整の上昇、この2つです。
この日は選挙という事もあり、意識される節目もないので、時間から時間取引をしました。朝6時ごろに上の写真の★印でショートを2玉入れ、そのまま8時代まで持ち越し、1玉目は決済。残りは11時代の反発で決済、といった感じでした。なので、前半のトレンド順張りの玉は、思ったよりも値幅が取れませんでした。一過性の反発を取っていけたのは良かったのですが、この日のカナダドル自体、あまり取引しやすい銘柄ではなかったかなと思います。ちなみに、NY時間夜8時ごろのUSドル急騰ですが、このときリアルタイムでチャートを見ていなかったのと、ポンドドルの玉はロスカットになりましたが、例え見ていたとしても、そこで途転で入ることはできなかったですね。
その日のNZDUSD
この日はドルストレートがほぼ同じような値動きだったこともあり、同時進行でニュージーランドドルの取引もしました。こちらでは綺麗な上昇トレンドを作っていて、効率の良い順張り取引だったと思います。ここでも時間から時間の取引で、玉分割はせず1玉だけで順張りしました。この調整の下落は、カナダドル取引に集中していて取引する余裕がありませんでした^^; こういった感じで、これまで意識される価格帯や節目がなくトレンドが発生している場合、順張りスキャルなら時間から時間までの取引がおすすめです。1時間ごとに必ず決済するのではないですが、時間の変わり目前後は環境の変化が起こりやすいので、注意してみる必要があります。もし大した変化がなければ、私はそのまま持ち続けています。
USDJPYの例
では、ここで別なサンプルをご紹介します。ドル円はあまり取引しない銘柄なのですが、つい最近順張り取引していて建値決済になってしまった取引があるので解説します。
相場環境
これはドル円の日足ですが、この黄色い丸の部分の日(10月21日)に取引しました。マクロで下落トレンド。ボラも大きく、この日大きく下落しています。下の104.10の節目はこれまでも意識されている領域です。これを見て分かるのが、この日の最安値のあとに調整が入っていますが、その調整が数日続いていることです。例えば、もしこの日の安値近辺で、下落トレンドだからと順張り玉を安易に持てば、数日間含み損を抱えながら玉を持ち続けなければならなくなります。なので、エントリーする時間だったり、撤退する基準はあらかじめプランに入れておかなければならないのですね。
ここでどのような取引をしたか
この日のNY時間朝8時頃に、ドル円で大きなトレンドができていたので、順張りでエントリー。エントリー場所はちょっと曖昧です。他に取引していたので、ここではあまり玉を持ちたくなかったので1玉で取引。下には意識されている節目もあるし、ここまで到達する可能性があるので、しばらく下落トレンドは続きそうだと、かなり楽観視していたのですね。しかし12時代で逆行。気づいた時には前回の15分足を超えても上昇していたのですが、この時の考えにあったのが、
こんな中途半端な価格帯で止まったことや、1時間足(青丸)が実体大きめの陰線で確定。そんなに反発圧力も強くないので、すぐ2点底つけてくるだろうから、その時までこのまま様子見しよう。
と思い決済しなかったんですよね。これが大きな間違いだったわけです。先ほどのカナダドルのサンプル1では一度目の反発の後、数時間後にトレンド再開して、2点底つけてからの急騰、となっています。私はこのドル円の時に、そんな感じの流れを想定していたので、2点底目が来たタイミングで、できるだけ価格の安いときに決済しようと思っていたわけです。むしろそのまま下落トレンド継続するかもしれない、とも考えていたほどです。ですがその後、一旦少し落とすもまた上昇。結果的に再度底を付けてくることなく、ずるずる玉を持ち続け撤退タイミングを逃し、気づいたらほぼ建値まで戻ってきてしまいました。
このドル円の場合、日足で見るとこれまでにはない大きな大陰線だったので、軽いオーバーシューティングによってダラダラと上昇していったのかと思いますが、それにしてもあの1時間足とあの圧力で、その後一度も底を試さず数日間上げていくのは、カナダドルやニュージーランドドルでは滅多にない値動きのように感じました^^; このように、一過性の反発と思って持ち続けてしまうと、結果的に建値決済やロスカットにもなりかねないので、デイトレやスキャルピングでの順張りなら、反発した場合の決済基準は決めておいた方が良いかと思います。
総括
今回はスキャルピングで順張りするときに注意してほしい一過性の反発、調整についてのお話でした。調整は、その時のトレンド環境だったり、通貨ペアによっても特徴がかなり変わるので、自分の取引している通貨ペアでぜひ検証してみてくださいね。