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ウォール街トレーダーになるには?【2022年最新!ニューヨークのプロップトレードファームを紹介♪】

アメリカ生活 お金 トレード

ウォールストリートトレーダーになってみたい!という夢を持っている方のために、アメリカのトレードファームで働く条件や入り方、有名なトレードファームをいくつか紹介するよ!

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投資に興味のある方なら誰でも一度は憧れる、ウォールストリートのトレーダー。その多くは高学歴で経験のあるトレーダーばかりですが、実は学歴や経験に関係なくなれるトレーダーがあります。それがプロップトレーダーです。ニューヨークを始めとするアメリカ主要都市にある、プロパイエタリートレードファーム(propietary trade firm)では、全くの未経験や学歴のない方でも、自社トレーニングを行い、その後そこでプロップトレーダーとして仕事をすることができるんですね。今日はそういったトレードファームの紹介や、入るための条件などを見ていきます。

プロパイエタリートレードファームって?

プロパイエタリートレードファームとは、いわゆる自己勘定取引で資産を形成している金融機関です。この自己勘定取引は、以前は銀行などの金融機関でも行っていたのですが、それにより破産することが相次いだため、2010年のボルカー・ルールにより、銀行などの大手金融機関での自己勘定取引の規制が厳しくなり、できなくなってしまったという歴史もあるようですね。

自己勘定取引とは会社の資本を使って取引をすることを言うよ。つまりトレーダー個人の資産に関わらず、その会社のお金を使って取引ができるってことだよ

アメリカでも特にニューヨークやシカゴのような大都市では、こういったトレードファームが数多く存在しています。ファームによって、どんな商品を取引しているのかが違い、株などのエクイティー、FX、オプション、先物などがありますね。

また、プロパイエタリートレードファームには2種類あり、ブローカーディーラー非ブローカーディーラーかで分かれています。このような自己勘定取引を行うトレーダーのことをプロップトレーダー(prop trader)と言います。プロップはPropietaryの短縮したものですね。

プロップトレーダーになる利点

厳密に言うと、トレーダーにも複数種類があるのですが、よくプロップトレーダーの対称となるのが個人トレーダー、つまりリテールトレーダーかと思います。

リテールトレーダーはトレーダーになる最も簡単な方法ですし、自分でどこかのブローカーでアカウントを開けてすぐにトレードができます。ですが、プロップトレーダーになるベネフィットもあり、以下のことが挙げられます。

1、自分の資産額に関わらず会社の資本で取引できる
2 レバレッジやコミッションなどの取引条件が良い
3, テクニカルツールやソフトウェアの提供がある
4、経験豊富なトレーダーから直に学ぶことができる
5、自社トレーニングがある
6、堂々とトレーダーと名乗れる

プロップトレーダーは私達リテールと違い、取引に掛かるコミッションも安くレバレッジも大きく掛けることができます。また、会社のお金で取引ができるので、自分の資本が少ない方でも関係ないです。

何より、高機能なテクニカルツール、一般人が契約するととても高価なプラットフォームなどのトレードソフトウェアも使えるのは、トレードファームでしか得られない特典ですね。

また、トレードファームの口コミを見て印象的だったのは、良いポジティブなレビューを残しているトレーダーは、“本物のプロトレーダーから直々にアドバイスが学べるのが良かった”とか、“仲間がいるので続けられた”、“ファームで提供しているトレーニングが素晴らしい” など、リテールでは絶対なし得ない利点が多かった印象。

あと、あまり重要ではないと思いますが、トレードファームでプロップトレーダーをしていると、肩書を名乗る際も雰囲気的にかっこいいんですが、個人でやっているリテールトレーダーは、肩書を名乗るとちょっと不審な目で見られる、というのはあったりします。

例えプロの専業トレーダーだったとしても、この手の悩みは一定数あるようです。

プロップトレーダーになるための条件

トレードファームの場合、基本的に、18歳以上なら誰でも応募はできるところが多いです。もちろん、ポジションによって経験者のみの応募だったり、場合によっては、新卒でも会計やビジネスの学位がないと入れない、なんてこともあるのかもしれませんが、多くのファームでは未経験者採用枠はあると思います。

また、後から詳しく説明しますが、もしそのトレードファームがブローカーディーラーのファームの場合には、トレーダーは金融商品取引のライセンスが必要になります。

当然、この初心者歓迎のポジションでは、全く経験がない人ですので、すぐにその会社の資本で取引ができるわけではありません。会社で提供している有料のトレーニングを受ける必要があったり、最初は一定額の自己資金を使って、ある程度実績が証明できてから会社の資本で取引ができるようになります。

この条件はそれぞれのファームによりけりです。場合によっては、数年間の安定した実績が必要な場合もありますので、応募はできても実際に会社の資本で取引できるまでになるには、決して簡単なことではないのですね。

プロップトレーダーになる前に知っておきたいこと

そもそもトレーダーになる事自体容易いことではないのですが、プロップトレーダーの場合、そこに行き着くまでに意外と知られていないことも多いのかなと思います。

プロップトレーダーになる前に、事前に押さえておきたいことは以下の通りです。

● 最初は自己資本で取引する
● トレーニングは有料の場合もある
● ブローカーディーラーのプロップトレーダーはライセンスが要る
● 毎月のデスク代が掛かる
● 一年間の収益ロックアップ
● ファームスプレッドが大きい

これらのことは、そのトレードファームがブローカーディーラーかそうでないか、でも分かれてくることが多いです。

1つ目から見ていくと、プロップトレーダーはいずれは会社の資本で取引可能なのですが、ほとんどの場合最初は自己資本(リスク資本)で取引することが多いです。トレーダー志望の人がどの程度実力があるのか、それが証明できるまではリスク資本(Risk capital)の名目で自分のお金で取引するのです。どれくらい必要なのかなどの詳しいルールはファームによります。

また、多くのトレードファームでは、教育面にも力を入れているので、独自のトレーニングコースやプロトレーダーとのミーティングなどを設けているところが多いです。ただし初心者OKのポジションでは、会社のトレーニングコースを有料で受ける必要があるところもあります。

また、トレーニング費用や、毎月のトレードデスク代やソフトウェア使用料などの費用を合わせて、毎月トレーダーに課金するトレードファームもあります。

なので、初期費用だけでも高いので、会社のお金で取引ができるから自分にお金がなくても大丈夫、と思ってトレードファームに入ると、こんなにお金掛かるの!?って思う方も多いと思います。

そして、ブローカーディーラーのファームでは絶対に必要なものが、金融商品取り扱いのライセンス、シリーズ57です。これは、FINRA(金融取引規制機構)によって定められた、ブローカーディーラーでエクイティやオプションを取引するトレーダーに必要とするライセンスです。

これは、シリーズ57テスト(the Securities Trader Representative Exam)に合格すると得られる資格で、ファームによってはそのためのトレーニングやサポートもあります。

またこれは個人的に驚いたことなのですが、ファームによってはトレードの収益を一年間もらえないシステム、ロックアップがある場合があります。これはブローカーディーラーのファームの特徴な気がしますが、ファームによっては1年間収益がもらえないという、かなりイジメにも近いルールもあったりするんですね^^;

プロップトレーダーは全て歩合制で固定給はありませんので、もし一年間のロックアップがあるというなら、その間の生活費分は十分貯金がある状態でないと、始めるのは難しいかと思います。それプラス、トレーニング費用だったりリスク資本などを払うとすれば、かなり経済的に余裕があるか、身内からの経済サポートがないと難しい、ということになりますね。

あとは当然ながら、会社の一員としてトレードするので、会社へのスプレッド(収益配分)も発生します。その%幅も状況によって大きく違い、初心者のうちは20%などと少ない利益%のものから、プロになると80%くらいまでもらえることもあるようです。

もし、晴れてトレーニングも終わり実績を証明し、会社の資本で取引ができる段階になったら、使用可能な資本金額やレバレッジなどは個々に会社から支給されます。

プロップトレーダーは各レビューサイトを見ると分かりますが、口コミは真っ二つに分かれていて、ある程度成功や経験を積んだトレーダーからは満点の良いレビューもあれば、全く稼げなくて辞めたトレーダーからは酷評がついています。それだけ大変な世界なのはレビューを見ただけでも分かりますね ^^;

アメリカのプロップトレードファームを見てみよう

では、初心者でも応募可能なアメリカのトレードファームを見てみましょう。今回は3社ほど紹介しますが、他にもたくさんあるので、自分でも調べて、比べてみてくださいね。

T3 Trading


ここはサミさんの所属するトレードファームです。T3トレードではT3ライブという教育プラットフォームがあり、多くの投資家はそこでトレードについて学びます。トレーニングは一般のリテール投資家も有料で受けられます。

● 場所:ニューヨーク、ニュージャージー、フロリダ、ジョージア
● リモート可
● 取り扱い商品:FX、エクイティ、オプション、先物
● タイプ:ブローカーディーラー
● 初期費用:$10,000〜
(現在はもっと安くなっています)

本拠地はニューヨークで、プロップトレーダーの求人も、ニューヨーク市内のトレードデスクが多い印象です。取引商品でFXがあるのはわりと珍しいかと思います。T3はブローカーディーラーなので、株やオプション取引する場合はライセンスが必要です。ここでは最初に必要なリスク資本が$10,000で、ここではロックアップがあるので、稼いだ収益は1年間お預けです。(←現在は資本金のみのロックアップです。)

トレーニングの有無は強制ではありませんが、多くのトレーダーは受けている様子。個人的にカスタマーサポートの返信が早かったのは良かったと思いました。応募はこちらから問い合わせできます。

*アップデート 2022年8月2日
最近、といっても数ヶ月前なのですが、T3ライブの担当者の方からメールがありました。プロップトレーダーの一人で営業担当のJoshaさんからHow are youメールがきたので、最近のT3ライブの様子を聞いてみました。

そしたらだいぶ条件が変わっていましたので、ここで最新版をご紹介したいと思います。

★ 金融ライセンスはSeries 57とSIE
★ 試験教材や申請、BGチェック等の初期費用は$500
★ 初期費用はのちに資本金クレジットとして返される
★ 毎月のデスクフィー$350、最低自己資本金$5000
★ 収益のロックアップはないが、預けた自己資本金は1年間ロックアップ
★ レバレッジは20倍、現在はFXはナシ
★ SNSの使用禁止

金融ライセンスには色々あるんですが、現在T3で必要なライセンスはSeries 57SIEです。どちらも似ているんですが、SIEは金融全般の基礎に対し、Series 57は金融取引の知識をより深ぼった試験です。

また、アプリケーションやバックグラウンドチェックなどの初期費用は、$470くらいだったかと思うんですが、これらはいずれ自分の取引資本金のクレジットとして戻ってきます。

そして以前はあった、トレード収益が1年以上ロックアップされるというイジメも、現在は預けた自己資本金のみが1年だけロックアップになるという条件に変更。

それでいて、デスクフィーも$350/月、資本金は$5000に値下げされているし、毎日T3ライブのプロップトレーダー、デリックさんのメンターセッションやを無料で聞くことができ、日々質問し放題。初心者でも学びながらトレードできる環境が揃っていて、超絶良心的な条件になっています。

現在はFXで業績を上げるトレーダーがいなかったためか廃止になりましたが、Equityトレードのレバレッジは初心者でも20倍までOK。

更にプロップトレーダーなら、低スプレッドでWash Sale Ruleなんて適応されませんから、短期間の間に好きな銘柄を何度でも取引可能です♪

実はこの条件の変更により、自分でも手の届く範囲内かと思い、プロップトレーダーのアプリケーションを提出してみたんですね。ですが、自分にとって致命的だったのが、YouTubeやブログなどのSNSを手放さなければならないこと

プロップトレーダーになるなら、少しくらいSNSでのその様子を発信したいと思うじゃないですか。それができない、というかSNSアカウント自体消さなければならず、それは嫌だなーでもどうしようか。。など悩みに悩んだ挙げ句、結局アプリケーションは放棄しました。

やっぱりまだ自分の実力に十分な自信がないということもあるんですが、この誰も見ていないブログもYouTubeも、なにげに愛着はあるんですよね。ほんと少ないですが、何人かの方々からメッセージいただいたり、ブログは残しておきたかったんです。もしかしたらそのうち気が変わるかもしれないけど。

とはいえ、それ以外の条件はすごく良いので、アメリカ在住の方はぜひチャレンジしても面白いかと思いますよ!

SMB Capital


SMBキャピタルはニューヨーク市マンハッタン・ハーレム区に本拠地を構えるトレードファームです。ここはT3トレードと繋がりがあるのだとかそうでないとか。ファウンダーのマイク・ベラフィオアさんはとてもトレードに対する熱意を持っていて、Youtubeを見ていても、本気でトレーダー育成に力を入れているのが分かります。ただし、ちょっと初心者向けではないというか、英語も難しいので、ある程度ストックトレードの基礎を知ってから見たほうが分かりやすいです。

● 場所:ニューヨーク
● リモート可
● 取り扱い商品:エクイティ、オプション、先物
● タイプ:非ブローカーディーラー
● 初期費用:教育費

SMBキャピタルは非ブローカーディーラーなのでライセンスは不要です。ここは未経験者の場合まずインターンとして入社します。応募者のスクリーニングも厳しいところとしても知られていますので、中途半端な気持ちで入社しようとすると、書類審査の時点で落とされるのはわりとよくあるのだとか。

ここの初期費用は詳しくは掲載されていませんでしたが、未経験者への有料トレーニングを行い、そこから会社の資本にアクセスできるレベルに育てる、というもののようです。おそらく自己資本を使用してのトレーニングになるのかと思います。ここでは毎朝ミーティングを行っていて、プロトレーダーからの教育システムが整っています

SMBキャピタルでは多くのトレーニング教材があり、一般投資家も受けることができます。募集はこちらから見られます。

Marveric Trading


ここはT3やSMBと違いSNSを使った宣伝がないので、ちょっと怪しさもあったのですが、色々とレビューを調べたり、会社で出しているビデオを見てみると、とても分かりやすく、良いレビューも多かったので取り上げました。本拠地はユタ州のようですね。ニューヨークにも住所はあるのですが、おそらくトレードデスクそのものはないのだと思います。ニューヨークでは全てリモート求人です。

● 場所:ユタ、ニューヨークなど
● リモート可
● 取り扱い商品:FX、エクイティ、オプション
● タイプ:非ブローカーディーラー
● 初期費用:FX:$5000、その他:$11000

マーベリックも初心者の応募がOKで、非ブローカーディーラーであることからライセンスも必要ありません

ここはFXもあり、ロックアップもないので良さげですが、トレーニング費用、リスク資本とは別に、アカウント費用として月額費がかかります。アカウント費用(プラットフォームなど)は$199なので、初期費用はちょっと高めかな、というのが印象。

ただ、他のファームも入って面接の時点で明かされることもあるので、ここだけが特別高いというわけではないと思います。FXとそれ以外の商品で初期費用が分かれているのも注意です。これは、教育費とリスク資本合わせた金額です。FXはファームで取引してもレバレッジが一般と同じのようですね。

ここでは一般向けの教材は提供しておらず、トレーダーに応募した人のみのトレーニングになります。応募はこちらからできます。

あとがき

一見綺羅びやかなトレーダーの世界ですが、入るのは簡単でも、初期費用の多さや、トレーダーを続けるのは簡単なことではない、というのは分かっていただけたかと思います。

なんとなく、ウォールストリートのトレーダーというのは、一種のブランドのようにも思います。各会社で様々な教材が出ていますが、どれも高額で、果たしてそこまで高い学費って必要あるんだろうか、とは個人的には思います。

なので個人的には、ファームに払う月額費やスプレッドがもったいないので、プロップトレーダーはお勧めしませんが、自分でもRedditやGlassdoor, Indeedなどでレビューを見てみてくださいね。まずはリテールの個人トレーダーになって、それから決めても十分だと思います。ぜひ何かの参考になれば幸いです。