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【米国株】おすすめ代替食肉・農業株TOP5を紹介!〜チャート・決算書分析付き〜

ETF 個別株 米国株

代替食肉産業が期待されているって噂されてるけど、お勧めの米国株ってどれ?
今日はそんな疑問に答えるよ!

こんにちはオルカ(@orca_blog)です。
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先日、私がいつも参考にさせて頂いているYoutube、マナブログのまなぶさんの動画で、今後期待できるテクノロジーの未来予想をされていたんですね。そこで、人工肉や代替食肉のトピックが出ていて、確かに投資の世界でも噂になっている分野だな、と思いましたが、これまであまり調べたことがなかったなと思いました。そこで今日は、代替食肉産業、農業分野でおすすめの米国株について、以前読んだモトレーフールの記事を参考に、おすすめの代替食肉産業株を5つ紹介したいと思います!

記事の目次
1, 代替食肉産業と投資界
  − 代替肉が今後欠かせない理由
  − 代替食肉への投資にはどんな株を選べば良いの?
2, おすすめの代替食肉・農業産業株トップ5
  − ビヨンドミート(BYND)
  − タイソン・フーズ(TSN)
  − Archer Daniels(ADM)
  − Nutrien Ltd(NTR)
  − iShares MSCI Global Agriculture Producers ETF(VEGI)
3, 総括

食の未来には欠かせない代替食肉

代替食肉に関しては、アメリカでビーガンが流行り出した2009年頃から、よく聞くようになったような記憶があります。もっと前から有名だったのかも知れませんが、普通に肉を食べる自分には関係ないと思い、それの何が良いのか全く理解していませんでした。

代替食肉というのは、動物の肉を使わない、食肉に代わるような食品のことだよ。動物性のものを摂取しないビーガンやベジタリアンにとって、タンパク質を摂取することは何より大変なんだけど、こういった人工肉は彼らには重宝される食品だよ。

しかし2年くらい前に、食の未来という題でAqua Bounty Technology社(AQB)に関する放送があったんですよね。(これです。)AQBは遺伝子組み換え鮭を養殖する会社で、この放送では、その利点や懸念点などを紹介しているんですが、そこでは、今後世界の人口が増えると、当然食の需要も増えるが、このままでは供給が追いつかない、といった言葉が印象的だったのを覚えています。

観ていたときは、それは確かに今後重要だなと思い、その当時AQBの株価は$3くらいだったので買おうとしたんですよ。ですが、そのときはOTCだったのと、大手のブローカーではまだ手数料を取っていた頃なので、手数料高いなぁと思い、買うのを諦めたんです。そんなこんなで、バイオ食品や遺伝子組み換え食品に関する投資のことはすっかり忘れていたんですね^^;

それが先日、まなぶさんの動画を見たときに、食の未来と同じような見解をされているのを聞き、そういえばコモディティ以外の農業関連の投資はしてなかったな、と思い調べることにしました。今日は主に代替肉に関連する株を紹介しますが、中には、今後の農業の発達に貢献すると期待される株も紹介しますので、ぜひ最後まで見てくださいね。

ちなみに、AQBは現在はナスダックに上場しているみたいですね。今は$7超えていますが、数株だけ買うことにしました。

代替肉が今後欠かせない理由

こちらがそのマナブさんの動画です。人工肉以外でも、今後流行るテクノロジーが分かりますので、ぜひ観てみてください。

動画前半部に、なぜ今後代替肉が重要なのか、という理由を説明されていますね。

簡単に要約すると、

● 人口の増加により食料の供給が需要に追いつかない
● 家畜から食肉を生産することで環境破壊が促進される

という問題点があるとのことでした。

日本では少子化と言われているものの、世界規模では今後人口は増加する一方ですよね。当然食の需要は上がりますね。個人的に驚いたのは、家畜を飼育し、食肉化するだけで、二酸化炭素の排出がこれほど大きいとは思いませんでした。

また、家畜を育てるのにはそれなりの時間や費用が掛かりますからね。それを少しでも縮小できるなら、テクノロジーを取り入れたほうが断然コスパが良いですよね。

代替食肉産業への投資にはどんな株を選べば良いの?


投資方法ですが、個別株やETFを購入するのが良いと思うのですが、代替食肉に特化した企業というのは、少ないように思いました。そういった代替肉の製造の分野だけでなく、間接的に繋がっているな、という他の農業関連の会社も投資対象として考えてみるのが良いと思います。

例えばどんなものがあるかというと、

● 肥料
● 除草剤・害虫駆除剤
● デジタル農業
● バイオロジカル

などがあるようですね。

まず1つ目は肥料に関する企業です。農作物だけでなく、ガーデニングなどにも欠かせない肥料ですが、主に代替肉を作る上で使われる、大豆やとうもろこしなどには、窒素やカリ、リン酸塩などが必要です。特に、土壌柄肥料を使わなければ育たない地域もあるので、これらの肥料の発掘や製造を行う会社に投資することで、間接的に代替肉の投資にもなりますね。

2つ目は、除草剤や害虫駆除剤などのケミカルです。世間ではオーガニックなど、このようなケミカルを使用しない栽培が好まれますが、やはりコスパを考えると、除草剤や害虫駆除剤の使用は圧倒的に多いですね。アメリカの農園は広大なので、専用の大型トラクターだったり飛行機でばらまくので大量に使われるんです。

今ではドローンなんかも使われているようですね。こういった除草剤や害虫駆除剤の会社への投資も一つの手立てです。

3つ目はデジタル農業。いまいちピンと来なかったのですが、これは農家のためのデジタルプラットフォームのようです。農園が企業に費用を払い、自分の農場に特化した履歴データや予測データなどが得られるようです。気候や土壌の質などから割り出すのでしょうかね。

そうすることで、自分らの農園にとって最も適した種や肥料の情報だったり、その配布時期、適切な種の位置や間隔、害虫情報など、農園ビジネスにとって必要不可欠な情報が得られる、という画期的なシステムです。これは代替食肉の拡大に限らず、今後かなり需要が出てきそうなビジネスですね。

4つ目は、バイオロジカル。Biologicalは生物学のという意味ですが、これも分からなかったので調べてみると、生物学的製剤と訳すようです。微生物を使うことで、それらの微生物が種にまとわりついて、ゴミを食べる代わりに植物にとっての肥料となり、また害虫駆除の役割も果たす、という画期的な仕組み。これにより、ケミカル依存を回避できることも利点の一つです。

これは、さきほどの動画でも紹介されていた、環境保護の部分にも貢献しそうですね。個人的には頑張ってほしい分野です。

おすすめ代替食肉、農業株トップ5

では、Top5のリストはこちらです!

① ビヨンドミート(BYND)
② タイソン・フーズ(TSN)
③ Archer-Daniels-Midland Company(ADM)
④ Nutrien Ltd(NTR)
⑤ iShares MSCI Global Agriculture Producers ETF(VEGI)

期待の代替肉製造IPO企業ビヨンドミート


代替食肉といえばビヨンドミートを思い浮かべた方は多いと思います。どんな会社かというと、穀物や豆やイモ類。野菜やフルーツなど、様々な植物性の原料を元に、味や食感を考えながら、代替食肉の製品開発や販売を行う企業です。

こちらの会社のホームページに記載されているミッションを読んでみると、

By shifting from animal to plant-based meat, we can positively impact four growing global issues: human health, climate change, constraints on natural resources, and animal welfare.

動物性から植物性の肉に移行することで、①私たちの健康②気候の変化③天然資源の制限④動物保護、という4つの世界的な問題に対し、良い影響を与えることができます。的な感じで、先程挙げた問題点を解決したいという想いがあるというのは、とても好感が持てますね。

では、コアな部分である直近の決算書を見てみると、

先日発表されたばかりですね。総資産額は4億6千ドルくらい。利益率は昨年よりも上がっているけど、販管費が2倍近く増えてる。。研究開発にお金がかかるのは仕方ないとは思いますが、収益が20%くらいしか上がっていないのに、販管費がこれだけ増えるのは大きすぎますね。純損失拡大です。

貸借対照表では、

流動性はありますね。現金が減り、在庫が増えている。食べ物を扱う会社での在庫額は当てにならないですからね。。ただ、流動負債を賄う現金は十分あるのでOK。自己資本率は良さげですが、累積赤字拡大会社での自己資本比率ですからね。。

現金はどこから得たのかキャッシュフローを見ると、

投資からの出費が全部設備投資。債権などの短期投資はしていないみたいですね。現金は株式から得たようですので、今後もこの状態は続くはずなので、株価は上がっても下がるを繰り返しそう。。

最後に、チャートを見ると、

日足ですが、チャネル内を推移していて、今はだいぶ下限に近いですね。あまり買いたくなるようなチャートではないですよね^^;乱高下が大きいですし、最近マーケットが下落基調なので、この先もしかしたらこの下限を割る可能性だってあります。

ビヨンドミートに限らずですが、今のマーケットの状況からも慌てて買う必要ないですし、決算書を見ても、しばらくは様子見したい銘柄です。

BYNDのライバル企業!?大手食肉企業タイソン・フーズ


代替食肉の製造専門のビヨンドミートとは違い、このタイソン・フーズは、普通の食肉製造も行っている、1935年設立の古株の食肉大手企業なんですね。総資産額約350億ドルと桁違いです。

ですので、確かにライバルではありますが、規模も違うのと、代替肉にこだわっている企業かと言えばそうではなく、一般のマーケットから高級レストランなどへ、主要なタンパク質源を届けるのが彼らの仕事です。

直近決算書10Qの損益計算書を見てみると、

売上は若干下がっていますが、昨年比で10%弱の減少。コロナ禍であることも考えれば仕方がないかもしれませんね。

貸借対照表は、

流動性ありの、累積黒字。前回10月より利益拡大していますね。転換優先株があるようですが、自社株買いして配当もある企業ですし、いわゆるつまらないエリート企業ですね。

キャッシュフローも特に問題なく、株価が大きく上がることは期待できないと思いますが、個人的には、安全圏の株として保有するのは有りかなと。ジム・クレーマーはあまり好きではないと、最近のマッドマネーでは言っていたようですけども^^;

チャートを見てみると、

いまいちですね。コロナ後からほとんど回復していませんね。三角形の中で、直近下落を見せていますね。この下落がどこまで続くか観察したいです。この下のトレンドラインを優に割ってくるようならしばらくは買えませんが、このトレンドライン近辺が意識されて、U字形成⇒上限上抜け、してくるなら買いたいですね。

食品業界のイノベーターADM


ADMはかなりユニークな企業で、農業の創作加工会社です。顧客(企業)に様々な原料や知識を提供し、個々の企業のニーズに合わせた製品開発を行う会社です。

例えば企業が何か食品、飲料水 サプリメント、ペットフード、工業製品などを製品開発したいときに、ADMは原料を売るだけでなく、顧客の要望合わせたカスタマイズ製品の開発も行います。企業オリジナルの代替食肉を作りたい、なんてときにも、ADMのサービスは重宝されるのではないでしょうか。

また、製品開発のための知識のプラットフォームなどもあり、顧客が製品開発する際のアイディアや知識、最新情報などを提供したり、農業を営む農家の方向けに、コモディティーマーケットの状況や、最新のトレンド情報。あとはテクノロジーを駆使した農作物管理の手助けなども提供しています。

その他、ロジスティクスサービスも提供したりと、実に様々なことを行っている企業ですね。

では、直近の決算書10Kの貸借対照表ですが、ちょっと貼るには長すぎるので、こちらをクリックして60ページを見てみてください。

タイソン・フーズよりも大きい企業ですね。約500億ドルの総資産額。流動性有りの累積黒字企業。自己資本比率は良い企業の決算書での40%なので素晴らしいのですが、現金が少ないのが気がかりです。キャッシュフローを後で見るとして、資産の中で一番多いのは在庫なので、これが減価償却で売れなくなる可能性はあるのはちょっと懸念してしまうところ。

先に損益計算書にいくと。

売上原価が収益の90%以上というのは大きく見えますが、原料を販売するので仕方ないのでしょうかね。

キャッシュフローは10Kの61ページですが、営業からのキャッシュフローがマイナスですが、繰延対価を抜けばプラスになりますね。在庫はやっぱり大きいですが。。投資からのキャッシュフローがプラスですね。証券化して資金調達しています。借金みたいなものですね。

とはいえ、きちんと返済しているので、財務諸表は問題なさそうです。ではチャートを見てみると、

直近は下げていますが、実に優秀なチャートですね。今回の下落で日足20MA、50MAくらいまで下げてきてくれたら、絶好の買い場になりますね。とりあえず、今回の下落で少し買ってみようと思います。

US最大の肥料製造企業Nutrien


Nutrien農業や工業関連企業向けに、カリ、窒素、リン酸塩製品を提供する会社です。家畜の飼料だったり、代替食肉の分野でも、原料の大豆などにはこれらの肥料は頻繁に使われていますね。Nutrienではデジタル農業も行っているようですね。

直近の決算書を見てみると、

昨年より売上は上がっているんですが、粗利は減っている。減価償却でしょうか。純利益は半分に減りましたね。あと資産の減損も。。

貸借対照表は、

現金が増え、在庫は昨年と同じ。流動性有りの黒字企業。良いですね。ただ、利益は減っていますね。

キャッシュフローはちょっと長いので、これの21ページを見てください。

さっき粗利益が下がっていたのは、減価償却によるものみたいです。フリーキャッシュフロー有りの、あ、配当もある。これは悪くないですよね。

最後にチャートを見ると、

少し波は大きめで、50MAがよく機能している上昇ですね。とはいえ、200MAもちゃんと上がってきているきれいな上昇だと思います。今回の下落の下げ止まりとして意識されそうな所で買っていきたいです。個人的には日足50MAを期待しています。

自分で決算書分析できるようになろう

個別株を選ぶために決算書を読めるようになりたい!という方は、私も入っている、鈴木花子先生の有料クラスがお勧めです。Youtubeもぜひ見てみてくださいね。あとはAmazonでは米国株投資について解説した本も出ています。
    
こちらの本は、日本語だけでなく英語での解説もあるので、英語学習にもとても良いです。米国在住者でも専門用語は勉強になりました。できるだけ難しい単語や表現を使わず、すごく分かりやすいと思います。長期投資の株を決めるのに、決算書分析でこれだけはおさえて!というキーポイントが分かりますよ。先生の銀行員時代のお話も書いてあり、とても興味深く1日でスラスラ読める内容です。

日本またはアメリカのアマゾンを選べます
アマゾンアメリカアマゾンジャパン

農業個別株まとめて買うならETFのVEGE

最後にETFを紹介します。これまで挙げた企業もいくつか入っている、コモディティーではない農業関連企業のETFです。ETFの選び方は、以前こちらの記事で解説しているので、良かったら見てください。

残念ながらビヨンドミートやタイソン・フーズなど、完成品を売る企業は入っていないのですが、製品の初期段階の原料などを扱う企業を世界中からまとめたETFです。

これを選んだ理由ですが、今回TOP5入りしなかった企業の中でも、良さそうな農業株があったんですね。例えば、CORTEVAだったり、モザイクバイエル(OTC)など、代替肉に直接関係があるわけではないけど、今後将来性がある農業関連企業は他にもたくさんあるのです。それらが全て含まれていることや、日本の企業も含まれていたので、米国在住でありながら、日本企業にも投資できるので良いな、と思ったからです。

ではETF.comへ行って詳細を見てみると、

アメリカだけでなく世界中から、肥料、農薬と製品、農機具と部品、パッケージ食品と肉の生産などに関与する企業を集めたETFだとありますね。

ライバルETFはMOOくらいかと思いましたけど、VEGIの手数料は0.41%なので、農業個別株ETFの中で一番安いかなと。

銘柄構成も簡単に見ると、

DE、コルテバに続き、ADM、Nutrienもトップ5に入っていますね!日本のクボタコープも5つ目に入っています。

気になるパフォーマンスは?

最近はSP500と比べても良いですよね。これなら長期投資商品として悪くないと思います!今回の下落後に、ポートフォリオに加えることも検討してみるのも良いですね。

代替食肉への投資は幅広い目線で

代替食肉の製造企業も良いですが、現状、企業のファンダメンタルやマーケットを見ると、それに間接的に関連する農業個別株のほうが、パフォーマンスは良いですね。ビヨンドミートはいずれ伸びると思います。ですが、本当の意味で代替食肉業界が成長するのは、実際に私たちの生活に必要になった時なんじゃないかと思います。今でも、環境問題や食の需要と供給の問題は顕著になっていますが、それでも逼迫した状態ではないですし、投資家にその重要性を肌で感じてもらうまでは、もっと時間がかかるのかも知れません。頑張ってほしいですけどね。また、ここで紹介できなかったけど、良い農業株は他にもあるので、ぜひ調べてみてくださいね。何かの参考になれば嬉しいです。