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【米国株】大麻界のバイオテック企業:Tilrayを調べたよ

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今日は、2018年に全盛期(?)だった大麻株、Tilrayの分析をしてみたからぜひ見てね!

こんにちはオルカ(@orca_blog)です。インスタも始めました 🙂
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今週は大麻株が大暴れしていますね。日曜日に上げるかも!と言っていた株も、火曜日に崩れ落ちたかと思えば水曜日に復活したり、まだまだ目が離せない様子の大麻株セクターですが、今日は大麻株ETF、MJ中でも大きなシェアを持つTilrayの株について私の体験談を含め紹介したいと思います。

記事の目次
1, Tilrayとの思い出
2, Tilray株の分析
3, チャート分析
4, 総括

Tilrayで大損した話

色々と分析の前に、ちょっと個人的な体験談を話そうと思います。分析だけ見たい方は2章から見てくださいね。

無学習で投資を試みた末路

以前の大麻株分析の記事にも書きましたが、私は以前Tilray株で大損しています。私が投資の世界を知ったのは2018年の秋頃だったのですが、当時は株とFXの違いも分かりませんでした。ちょうどその頃は大麻株ブームで、アメリカ各地で医療用・嗜好品大麻が合法になるなどのニュースも出回り、投資界ではこぞって大麻株の話題を取り上げていました。

当時よく話題になっていたのは、このTilrayやAurora Cannabis、Canopy Growth Corp、Cronos Groupなどが主だったと思いますが、大麻業界はあなたをミリオネアにする的な誇大広告で、色んな投資家やアナリストが記事を出したり、ポートフォリオの有料公開サービスを提供したりしていました。もちろん、今でもありますが、当時はどれも綺羅びやかな世界に見えていたんですね。

そしてとある投資家のサブスクサービスに入り、そこでオススメされていたのもあって、初めて投資したのがTilrayだったわけです。当時はTilrayはカンナビス界のビットコインとまで言われていて、確かに当時のチャートは似ている値動きをしています。当然、サービスになんか入らなくても、投資先を調べる方法はいくらでもあったのですが、当時は調べ方も分からなかったですし、会社の決算書やデータも、全部英語だし面倒くさいなぁ、と自分で調べることはしませんでしたね^^;他の投資家の方が聞いたら怒られますね。

その時の私は、経験豊富な投資家が買いと言っているのだから大丈夫!と、超他人任せで楽観的だったのですが、そこから一過性の急騰で始めてから数日くらいで20%くらい増えたんですよね。

ちょうどこの★の辺りで購入したと思います。その後すぐの一過性の波で増えていたのを目にして浮かれていましたね^^;

しかし、それを最後に崩れるように資産が減っていきました。最初は、またすぐに巻き返すだろう、と思っていたのですが、そんな思いも虚しく更に減っていき、ついに$80代に突入します。そこで流石にもう無理だと思い売払い、結果的に半年もせず25%の大損を被りました。Tilrayはその後、この2年で坂を転げ落ちるような下落をして今では10ドル切っています。まだ持っていたら90%以上の損失でしたね^^;

今考えればバカだな、と思うんですが、当時は投資の仕方も、チャートの読み方や相場の原理原則、会社の分析の仕方も本当に分からなかったんですよ。単純に、大麻業界が今後伸びるだろう、という無根拠な考えだけで投資したようなものでしたからね。幸いにもこの大損をきっかけに、きちんと勉強しようと思いました。そういった意味で、Tilrayは投資を学習するきっかけを与えてくれた株でもあるので感謝しています。個人的には、大麻業界は今後伸びてほしいなという思いもあって、Tilrayを応援したい気持ちもあるのですが、現時点での結論は、長期投資では買いたくない株の一つだなというのが見解です。

Tilrayとはどんな会社?

では、Tilrayの会社を見てみましょう。

会社概要

  • 本部:トロント カナダ
  • IPO: 2017年7月
  • 業界: 製薬・大麻
  • ビジネス展開国:カナダ、アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ各地など
  • ビジネス:大麻栽培、研究、医療嗜好品大麻製品の開発、販売

Tilrayはもともとアメリカのシアトル州の会社の傘下企業として始まった会社だそうですね。2018年からCEOのブレンドン・ケネディーさんは、UCバークレー、Washington Universityでビジネス、エンジニアの学位を取り、Yale UniversityではMBA。そして様々な企業で会長や責任者を務めた経歴を持つ、超エリートビジネスマンのようです。Tilrayは2016年に北米で最初の医療大麻生産者としてGMP認定を受けるなど、やはりIPO後に期待した人が多かったのも分かります。

GMPとは適正製造基準といって、製品が定められた品質基準に従って、一貫して製造や管理されることを保証するためのシステムのことを言うよ。

これまで、様々な大学や医療機関と提携して、小児がん患者のてんかん発作や、心的外傷ストレスなどの臨床実験に協力しているようですね。そしてTilrayのカンナビスを使った商品には今流行りのCBDオイルや、ベイパー、スナック、ヘンプオイルなども数多くあるみたいですね。

そしてこれらが子会社の小売業者ですね。

現在、ビジネス展開国は世界中にありますが、Tilrayでは医療用や嗜好品大麻の室内栽培や、薬理効果の研究、製品開発、販売などを行っている会社ですので、在庫を抱えるビジネス、そしてかなりの人件費や研究開発費が掛かる会社、というのは分かりますよね。あと、大麻はハーブですから、多少の保存は効くけど劣化するもの。つまり減価償却の面の心配もありますね。

決算書

これが直近の四半期決算10Qの貸借対照表。

流動資産>流動負債であるのは良いですが、累積赤字ですね。損益計算書では、

販売管理費をここ3ヶ月でかなり削減している様子。ん、商品コストは昨年とほぼ同じなのに利益が少ない。在庫品評価調整の額が大きいということなので、在庫の価値が減った、という感じ?というか、ここ3ヶ月でかなり色んなものを削減していますね。マーケティングだけでなく研究開発費まで。研究ってTilrayにとってかなり重要だと思っていましたが。。昨年比の半分以下です。営業損失ですね。キャッシュフローもサラッと見てみると、

これは営業からのキャッシュフローだけですが、純損失が昨年よりも2倍以上大きく、当然営業の収益よりも支出のほうが大きいですね。これを見れば長期投資として買いたくないと思いますよね^^;やっぱり減価償却のある在庫を抱えなければならない企業は大変ですね。

自分で決算書分析できるようになろう

個別株を選ぶために決算書を読めるようになりたい!という方は、私も入っている、鈴木花子先生の有料クラスがお勧めです。Youtubeもぜひ見てみてくださいね。あとはAmazonでは米国株投資について解説した本も出ています。
    
こちらの本は、日本語だけでなく英語での解説もあるので、英語学習にもとても良いです。米国在住者でも専門用語は勉強になりました。できるだけ難しい単語や表現を使わず、すごく分かりやすいと思います。長期投資の株を決めるのに、決算書分析でこれだけはおさえて!というキーポイントが分かりますよ。先生の銀行員時代のお話も書いてあり、とても興味深く1日でスラスラ読める内容です。

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Tilrayのチャート分析

では最後にチャートを見ていきたいのですが、今週、Tilrayだけでなく大麻株セクターを見ていてちょっと気づいたことがあります。

大麻セクターの買い手が強くなっている

これは肌感覚でそう感じたと言うしかないのですが、今週ずっと大麻株セクターを観察していて、実際に取引もしているんですが、思った以上に買い圧力が強いことに気づきました。以前の大麻株分析でお話しましたが、これがTilrayの週足。

典型的なバッグホルダータイプですよね。つまり、本来はちょっとでも買われれば、売りたがる投資家が多い、ということなのですね。ですが、今週の値動きを見ると、思いの外崩れにくいんですよ。これまでのTilrayなどの大麻株って一過性の急騰後は決まって売られていたんですが、それが今回はそう単純にはいかない。その背景には、政権交代の政治ニュースにより大麻株の買いが強くなっている、などと言われてはいますが、私からするとチャートがそうなっているだけ、というように思いました。

以前お話したチャートリーディングの基礎が分かっていれば、なぜそうなのかが分かると思いますが、Tilrayは長期間下落トレンドを形成し、ここ最近は明確なステージ1のレンジ状態でしたよね。そして移動平均線は、200MAの下に20MAがきていて、値動きはその20MAの下で推移するという、典型的な下落トレンドのパターンを見せていました。ですが徐々に両者の幅が縮小していって、ここ数週間で、20MAが200MAを追い抜こうとしている。値動きも20MAの上を推移するようになっていきましたよね。

チャートを見ていくと、これが日足ですが、

昨日今日で20MAが200MAを追い抜きましたね。これが正に上昇圧力が強くなるパターンなのですね。ですので、ファンダメンタルにより大麻株が買われているとか、今後バイデン氏になれば大麻セクターが長期的に伸びるといった噂もありますが、現時点では、単にそういったチャートだから短期的に買われている、というようにしか思えないのですよね。

もし、このニュースなどの噂だけで大麻株を購入しようとしているなら、短期的には良いですが、長期的にはよく考えて買ってほしいなと思います。かくいう私自身は、個人的な希望としてMJは長期投資に持っているんですが、保有数は少ないです。

大麻セクターが今後長期的に上昇するポテンシャルを持っているかどうかを確かめるには、ETFに選ばれている各会社のファンダメンタルを分析する必要があります。現時点で数社の決算書は見ていますが、これと言ってその根拠となるものは見つかっていません。現に、今回Tilrayの決算書を見て、長期投資したいと思いましたか?多分ないですよね。それに、バイデンさんになったからといって、本当に大麻の規制が変わるのかもまだ分かりませんし、会社の実力は政権交代しようと変わりません。つまり、ファンダメンタルはなんら変わっていないんです。

大麻セクターは未知の世界

さて、いかがだったでしょうか?大麻株全体に言えることですが、新しいセクター故、歴史がないので先が読みにくいものではあります。更にTilrayはバイオテック企業でもあるので、少なからずギャンブル要素があるのは拒めません。ですが、今回の四半期でかなり経費削減するなどの対策をしているので、今後変化していく可能性は十分にあります。今後どうなっていくのか楽しみに見ていきたいと思います。