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【米国株】最新テクノロジー保険会社!?レモネードを調べたよ 〜会社、決算書、チャート解説など〜

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最近話題になっている保険会社、レモネードってどうなの?という方のために会社概要、決算書、チャート解説をしていくよ!

こんにちはオルカ(@orca_blog)です。インスタも始めました 🙂
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今週の相場は下落の心配はどこへやら、5日間続けて上昇していましたね。モメンタムがないのが気がかりですが、来週も何事もなくマーケットが動いてほしいです。最近保険会社株が話題になっていますね。そんな中、レモネードってどうなの?という声も聞くようになり、私は個人的にレモネード株は持っているので、レモネード株が気になる!という方のために、ここで詳しく紹介していこうと思います。
*2021年8月にアップデートしています。

最新テクノロジーを駆使した新保険会社、レモネード

レモネードは以前のSoFiの記事でも少し触れていますが、保険会社の一つです。現在のところ、住宅保険、ペット保険、生命保険がありますね。少し前に見たときは生命保険がなかったのですが、新しい商品ができたことは良いですね!まず会社概要から見てみましょう。

会社概要

  • 本部:アメリカ ニューヨーク州 ニューヨークシティ
  • 創立: 2015年4月
  • 業界: 保険会社
  • ビジネス展開国:アメリカ国内、ドイツ、フランスなど
  • ビジネス:各種保険を個人に提供(B to C)
  • 規模:7000万ドルくらい

IPOは去年2020年7月ですね。$29でオファーしたそうですが、今では$100を超える株価ですね。レモネードはニューヨークで創立されたようですが、ドイツやフランス、オランダなどヨーローッパ圏でもサービスを展開しているようですね。現在の保険の種類は、住宅、ペット、生命保険ですが、住宅保険には2種類あり、宿主と借り主があります。

レモネードは今のところB to C企業なので、やはり規模は小さめですね。今後変わる可能性はありますが、大手保険会社のCigna、BCBS(ブルークロスブルーシールド)、ユナイテッドヘルスケアなんかは医療保険で有名ですが、こういった保険会社は企業の福利厚生でよく使われている保険会社ですよね。これら大手保険会社の規模はやはり桁違いです。

ライバル企業はどこ?レモネードの売りはコレだ!

アメリカ国内だけでも保険会社は多いと思うんですが、レモネードって何が良いのでしょうか。調べてみると、先程挙げたような大手健康保険会社たちや、昔ながらの自動車保険会社のステートファームのような大手は、あまりライバルにはならなそうです。顧客ターゲットが違うというか、レモネードはミレニアル世代が好感を持つようなポリシーと使いやすさがあるように感じました。

レモネードは完全デジタル化した保険会社なので、実店舗がないんですね。それでいて、個人が手軽にオンライン上で申請できて、借り主保険なんかは10分程度で完了します。簡単な質問や見積もりも全てボット(AI)が行います。

確かに実店舗がないことや、AIに任せられるところは任せる、というのは良いですが、同じようにデジタル化が進んだ保険会社、例えばRootや、今後上場予定のOscar。All Stateなんかもデジタル化が進んでいるのですが、そことはどう差別化しているのかが気になりますね。

レモネードのホームページや決算書を見てみると、他社との違いはここにあるようです。

● ギブバックを取り入れていること
● リインシュランス(再保険)でできる限り安定した収益を確保していること

ギブバックとは、保険加入者が支払った額のうち、使わなかった分は、保険会社(レモネード)の利益になるのではなく、加入者の選んだチャリティーに寄付できる、という仕組みです。

日本人の感覚だと、わりと理解しにくい部分はあると思いますが、アメリカの、特に若い世代にとっては、企業がチャリティー精神に長けることはとても好感が持て、投資対象としてプラスになることです。ジムクレーマーも、ウォールストリートも近年こういった企業を応援したがる、というようなことも言っていましたね。

でも、どのようにレモネードは利益を得ているのかが気になるところ。そこで彼らが取っているのが“リインシュランス”(再保険)です。これは保険会社の保険のようなもので、仕組みとしては、レモネードがその保険パートナーに利益の75%を支払い、25%分は自社の利益としてキープ。ただし損失が出た場合は、保険パートナーが75%負担し、25%はレモネードに支払う、といった仕組みを取っているんです。

多くの保険会社では、利益分は100%保険会社がもらう分、損失が出た場合は丸々保険会社の損失になりますから、できる限りゴネて支払いを最低限にしようとします。ですが、レモネードは再保険の仕組みを使っているので、加入者が事故で補償を求めてくる際に、決められた補償額を支払うというのは、レモネードにとって何ら痛くないことで、健康的にビジネスができる仕組みかな、と個人的には感激したポイントです。

また、レモネードが保険会社である理由として、アメリカのフォーチュン100企業のうち、25社は保険会社であることや、私たちが保険をかけるものに多いのが、家や車などの損害に対する保険だったり、子どもたちに残す遺産のための生命保険が最も多く、保険が世界全体では約5兆ドルに達し、米国の国内総生産の11%を占めていることに目をつけて、始められたビジネスのようです。

特にミレニアル世代にとって、健康保険にお金を費やすことよりも、車や家の損害保険、子供のために生命保険に入ったり、学資保険に使うほうが重要です。私の知り合いでは、ペナルティーを払っても健康保険に入らないスタイルを取っている人が何人かいます。

もしかしたらレモネードは、今後も健康に関する保険は持つ予定はないのかもしれません。

CEOのはこんな方

CEOのインタビューがあったのでちょっと見てみましょう。

なんとなく所さんに似ていますね^^; 本棚がとても整理されていて綺麗。。第一印象としては、かなり丁寧な方、優しい(ハト派)な感じですね。攻めてどんどん稼いでいくぞ!という感じではなく、保険の加入者の立場を優先して、良心的な価格で、困っている人たちも助けていきたい、といった印象。

従来の保険会社はどちらかというと、加入者にとっては敵というか、補償を求める際は一悶着あることが多くあるため、加入者との信頼関係が壊れやすい中、レモネードはそういったことが嫌で、顧客との信頼関係を築くことを大切にしていると言っていますね。

また、レモネード自身が行う投資では、“有害なもの”に投資しない、というポリシーがあるようですね。加入者が長期的に見て損になるようなもの、ということだと思います。例えば、環境汚染が進むと、天候が荒れ、家の保険料が上がってしまったり、健康に害のあるものは健康保険料を上げてしまうことにも繋がる、と言っていますね。具体的にどこの企業を指しているんでしょうかね。。

とにかく、自分たちの利益を優先している感じはなく、加入者側からはとても信頼がおける企業になりそうですね。

レモネードの懸念点

全体的に素晴らしい企業だと思いますが、一つこの企業の懸念点として、リインシュランスの契約が今後どう変わるか分からないこと、は心配ですね。

レモネードの保険パートナーとの契約も、定期的に改定されるものなので、今後の結果によっては、次の更新期で、保険パートナーからもっと悪い条件で契約することになる可能性もあるわけです。

そうなってくると、もしかしたら顧客の保険料が上がったり、今取っている方針が取れなくなったり、ということもあり得るということは、知っておいたほうが良いですね。

次回の契約更新は6月だそうなので、その辺りでどうなるかは注目しておきたいところです。

レモネードの決算書とチャートを見てみよう

では、会社の決算書やチャートを見てみようと思います。

決算書分析

次回の決算はもうすぐですね!2月26日なので、そのときにどういった結果が出るかが楽しみです。今日は11月に出された10Qを見てみましょう。

これが貸借対照表ですが、

流動性有り。現金で総負債を払えてしまう額ですね。

資本の部は?

あまり良くないですね。投資家から集めたお金のおかげで自己資本比率が高くなったというだけで、累積赤字拡大です。

損益計算書で登録者が増えているか確認すると、

9ヶ月では増えていますが、3ヶ月間の比較では減っていますね。。ただ、出費も減っているのは良いですね。

出費で一番増えたのは管理費用ですね。従業員などを増やすと仕方ないと思いますが、9ヶ月比では3倍以上になっているのは大きい気がします。

キャッシュフローは、(見えにくかったらこちら8ページ目)

これだけ見ると良くない感じですね。営業からのキャッシュフローがマイナスで、投資や財務はプラスです。短期投資や株売却で現金を得たようですね。この得た現金を、今後の投資に使うなら良いですが、これは11月の決算なので、2月に期待したいですね。

チャート分析

現在の株価は$144くらいですね。

IPO当時は$29で発行したものが、そこから$60辺りをウロウロして、去年の終わり頃から急騰。最近は落ち着いていて、ちょっと下げ気味ですね。ちょっと拡大するのに3時間足を見ると、

この$140近辺の節目を割るかどうかは大きいです。もしここを割らないと仮定すれば、今はちょうど節目辺りなので買い場として有りです。ですが、下位足での値動きが、買われても売られ、の値動きが目立っているので、節目割れは可能性が高いと見ています。

私は$100くらいで買っているので、今でも恩恵を受けていますが、今から初めて買うという場合は、ちょっと今は売り圧力が強いので、ここから節目割れの可能性も考えて購入すると良いかと思います。

もし割ってくる場合の下げ止まりとしては、$135近辺、または日足50SMAを見ています。

消費者側から見てみよう

これまでの調べでは、レモネードは消費者に寄り添うビジネス、といったことが分かりましたが、実際本当かどうかを見ていきたいと思います。

レビューを探してみたけど少なかった

レモネードのウェブサイトにはポジティブなレビューばかりですが、他にも探してみても、ブロガーのレビューだったり、個人の体験というのはまだ少ない感じがしました。ただ、ほとんどがポジティブな良いものばかりだったんですね。Redditでも見かけましたが、良いレビューでしたね。

そこで、Consumer Reportに行ってみると、ここも少なかったのですが、別な正直な意見が聞けたと思います。生命保険はまだ新しいのでレビューがなかったのと、宿主やペットのレビューはポジティブなものが多かったです。その中で一番賛否両論があったのが借り主保険ですね。

良いレビューも有りましたが、悪いものをピックアップすると、

このレビュー主は、家主の方でそのテナントがレモネードを持っている、ということらしいですね。コレによると、レモネードの借り主保険は、テナントによる水の損害をカバーしなかった、とあります。

家主が怒る気持ちも分かりますが、これをレモネード側に矛先を向けるのはズレている気もしますよね^^; テナントによる水による損害ってなんなのか気になりますが、大抵は保険でカバーできない分はテナントが払う、ということですし、もしこれが水道管の問題であれば、老朽によるものであれば、テナントのせいとも言えないと思います。

この文章だけでは分からないことは多いですが、そもそもこの方自身がホームオーナー保険に入っていれば、そこからカバーできなかったのでしょうか。

現在の所はレビュー数は少ないですが、大方良いレビューばかりです。

自分も借り主保険に入ってみた!

ということで、以前から何かあったときのための損害保険や生命保険の加入は考えていたのですが、この機会にレモネードに入ろうと思いました。生命保険の見積もりをしてもらったら、ニューヨーク州ではまだサービスできないそうなので、借り主保険に入ろうと思います。

レモネードのボットはMayaというのですが、ホームページに行くと彼女が対応してくれます。以前入力した内容は記憶してくれます。ですので共用のディバイスなどではやらないほうが良いですね。。

借り主(レンター)を選び、その後は個人情報を順に入力すればOKです。

そして、どれくらいのディダクティブルにするか、カバー額の上限も選べます。

ディダクティブルは最低$250からなので、フルカバーというオプションはないですね。

最後にオプションも付けられます。

家族や、血縁関係ではないけど同居人がいる場合の補償だったり、あとは生活必需品ではないけど、個人にとってはとても大切なもの、例えば楽器だったりカメラ、宝石などにも、オプションで付けられます。ちなみに、家族分のアドオンは無料です。

一応、注意書きとして、州によってサービスされていない州もあることや、カバーされないものは事前に把握しておきましょう。

ここで書いてあるのは、地震や洪水、もともと問題を起こしやすい犬によるダメージ、ルームメイトなど他人の分、これらは補償の対象ではないとのこと。

最低補償だけ選ぶと、結果的に私は月$6.25というかなり格安の見積もりが出されました!ちなみに、年間で払ったほうが2ヶ月分くらい安くなります。

いつでもキャンセルできますが、一度払ったものは払い戻されないので、今後変更予定があるときは、月払いが良いかもしれませんね。

ディダクティブルがあるので、フルカバーではないですが、レビュー通りスムーズに契約できるシステムですね。支払いまで早くて、分かりやすいし簡単でした。何よりリーズナブルなのはとても助かります。興味がある方は、ぜひ見てみてくださいね。

2021年8月のアップデート

ちょっと紹介したいこともあったので、最近(2021年8月)のアップデートをしたいと思います。

最近のレモネードチャートと直近四半期の様子

8月11日にQ2の発表がありましたね。残念ながらガイダンスが悪かったようで、決算後に9%近く下げました。

前回分析したときが最高値でしたね。。今の株価は半額近くまで下がり、見る影もないようなチャートですね^^; 実はあれから一旦売り払い、その後また買ったんですが、現在含み損中です。。

10Qで詳しい数字も見てみましたが、相変わらずで:

累積赤字拡大
増資で現金を調達

まだまだ買うにはおすすめできない状況ですが、新規顧客数や、プレミアムからの収益は上がっています。

実は前回の分析では気づけていなかった点があって、この会社の損益計算書の収益(Revenue)は、再保険(レモネードの保険会社)に支払う分が既に引かれてあるので、前回の分析で言っていた顧客からの収益そのものが下がっている、というわけではなかったんです。

もし、再保険に払った分などを無視したプレミアム収益を見たい場合は、この“Gross earned premium”を見てくださいね。

そう考えると、再保険への出費はかなり大きすぎる気がしますね。。^^;

見てくださった方におまけ♪

以前、私の入っている米国株の花子先生の有料サービスの”実践クラス”で行っている課題で、レモネードを調べさせていただいたのですが、ここを見てくださっている方々に、おまけで私が実際に分析した内容をお見せしようと思います!

ただし内容は、既に終わったQ1分の分析なので、古い情報ではあります。また実践クラスでは、生徒の分析を見て花子先生から訂正していただいたり、クラスの皆さんからアドバイスがもらえるので、もっと詳しく知りたいよ!という方は、ぜひ花子先生の実践クラスにいらして下さい♪

これを見てもらえれば、投資や簿記のド素人が入会しても、自力でここまでは調べられるようになるよ!というのが分かってもらえるかなと思いました。ぜひ何かの参考になればと思います。

自分で決算書分析できるようになろう

個別株を選ぶために詳しく決算書を読めるようになりたい!という方は、私も入っている、鈴木花子先生の有料クラスがお勧めです。

有料クラスにはいくつか種類があり、簿記を学ばず決算書だけ簡単に分析できるようになるクラスや、本格的に簿記から学ぶクラス、ある程度会計用語が分かっている方ならいつでも入れる実践クラスなど、様々なクラスがあります!

私は2020年の夏から簿記から学ぶクラス⇒その後実践クラスに入っているのですが、当初は決算書って何?というレベルだったんですよ^^;ここで紹介している私の企業分析は、まだまだ深堀りできる要素はありますが、それでも一年間、週に1回1時間会計を学ぶだけで、少なくともこの程度は分析できるようになります。

現在はDiscordで色んなメンバーさんと情報交換ができるのですが、テック系偉人や医療専門家、初心者と言いながら最強のパフォーマンスを出す天才女性投資家など、天才がたくさんいるのでとても勉強になりますよ^^ 最近ではメンバーの方なら誰でも使える、凄腕AIプログラマーの方が作る分析ツールも使用可能!花子先生のYoutubeもぜひ見てみてくださいね。

こちらが最近の動画ですが、ユーモアセンスありすぎで面白過ぎますね。

もし、全くの初心者や英語に慣れていない方で、これから決算書分析や簿記から学んでみたいという場合は、まずはこちらの花子先生の米国株投資について解説した本がオススメ♪
    
こちらの本は、日本語だけでなく英語での解説もあるので、英語学習にもとても良いので、英語の決算書も読みやすくなります。米国在住者の自分も専門用語などとても勉強になりました。できるだけ難しい単語や表現を使っていないので、すごく分かりやすいですよ。

長期投資の株を決めるのに、決算書分析でこれだけはおさえて!というキーポイントも分かります。先生の銀行員時代のお話も書いてあり、とても興味深く1日でスラスラ読める内容です。

実践クラス以外の有料クラスは入会時期が決まっているので、個人的なおすすめは、こちらの本を熟読⇒実践クラスに入る⇒もっと基礎を学びたければ、次の入会時期に簿記クラスも追加、といった流れです!

日本またはアメリカのアマゾンを選べます
アマゾンアメリカアマゾンジャパン

レモネードはまだ結果が出ていないけど投資家から好かれている株

今回は会社の色がよく表れた会社だったと思いました。わりと控えめ、謙虚な会社に思えるので、収益の面ではあまり急激な成長は見られないように感じます。そして決算書を見る限り、まだこれから、という感じで良い結果も出ていないですよね。ただし、投資家からは好かれている印象なのと、個人的に消費者の立場から良い会社だと思ったので、投資しています!ぜひ何かの参考になれば幸いです。